金沢建築館について
はじめに
金沢建築館は、建築・都市についてのミュージアムです。金沢の名誉市民第一号の建築家 谷口吉郎氏の住まい跡地に、吉郎氏の長男で、国際的に著名な建築家である谷口吉生氏の設計により建設されました。
当館は、展覧会をはじめ、講座や建築ツアーなどさまざまな活動を通じて、金沢から世界へ建築文化の発信拠点を目指しています。
コンセプト
① 建築とまちづくりを考える
金沢には近世以来の多くの歴史的建造物と金沢21世紀美術館や鈴木大拙館などの現代建築がモザイクのように市街地に点在し、魅力ある建築文化が形成されています。金沢建築館は、美しい建築と美しいまちについて、市民とともに考えます。
② 谷口吉郎氏・吉生氏の顕彰
吉郎氏は金沢育ちの建築家で、東宮御所の設計やその他建築界での数々の功績を認められて文化勲章を受章するとともに、金沢の景観まちづくりにも尽力した人物です。吉生氏は世界で活躍する一方で、金沢に鈴木大拙館などの設計を通して、金沢の新たな魅力を創出しています。また吉生氏は幼少期、金沢に疎開した経験があり、祖父と父から金沢の文化を教えられて育ったと語っています。このように「金沢が育み、金沢を育てた」建築家親子の建築思想を伝えていきます。
③ 洗練された建築意匠
常設展示室は、吉郎氏が設計した迎賓館赤坂離宮 和風別館「游心亭」の広間と茶室を忠実に再現した空間です。それを包み込む吉生氏の洗練された建築が、常設展示を一層際立たせます。このように、当館では建築家谷口親子の作品を同時に体感することができます。
④ 建築資料の保存・活用
金沢市に寄贈された谷口吉郎・吉生氏の資料を中心に建築アーカイブズの構築を目指します。
⑤ 世界に開かれた交流施設
国内外の建築をテーマとした博物館やアーカイブズ施設、吉生氏設計のニューヨーク近代美術館、東京や京都の国立博物館などの博物館との交流・連携を目指します。